2020/08/06 13:18

イノシトールとは
イノシトールは、母乳にも含まれる成分で、臭いのないサラサラとした白い粉末です。糖アルコールの1種で、舐めるとほんのり甘みがあるのが特徴です。近年では、日本でも乳児用粉ミルクや栄養ドリンクなどに利用されています。
ちなみに糖アルコールは、○○トールというように、後ろがトールとつくことが多いです。イノシトールの他、キシリトールも糖アルコールの1種です。
イノシトールの歴史
イノシトール(Inositol)は、なんと今から170年も前の1850年に、ドイツ人医師のSchererによって発見された成分です。(牛の筋肉組織の抽出液から初めて分離に成功)
1940年代になると、マウスの成長や毛を正常に保つビタミンとして、イノシトールの研究報告がされていました。
その後、イノシトールは人の体内でも作られているということがわかってきて、ビタミンではなくビタミンと似たような働きをするビタミン様物質として分類されるようになりました。
欧米、特にサプリメント大国と言われるアメリカでは、イノシトールの研究は盛んで、比較的早くから一般的にも知られていましたが、日本では、2010年頃から徐々に注目されるようになってきた印象があります。
イノシトールは食べ物で摂取できるの?
イノシトールは、人の体内でも作られますが、植物にもイノシトールは含まれています。
例えば、玄米、小麦、とうもろこしなど未精製の穀物、オレンジ、スイカ、マスクメロン、ベビーキウイ、グレープフルーツ、フルーツほおずき、モモなどの果物、その他にもグリーンピース、オクラなどにも含まれています。
イノシトールはどんな風に作られるの?
イノシトールの原料は、主に小麦、とうもろこし、玄米で、日本国内の原料で作られるイノシトールは、玄米(お米)由来のものが多いです。
玄米は精製前のお米のことですが、イノシトールは精製する際に捨てられることの多い米ぬか、正確には脱脂米ぬかを原料にしています。この脱脂米ぬかを加水分解、脱塩、濃縮、乾燥させて、最終的に粉末のイノシトールになるというわけです。